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ポリコレ、レッテル貼り、ドリーマー。

今年のアメリカ大統領選やBrexit(イギリスのEU離脱)に対する見解の一つに、『背景に「ポリコレ疲れ」があった』というものがある。

実際に、イギリスがEU離脱に踏み切った原因の一つとして賃金の低下があげられるのだが、これは2004年以降EUが東方に拡大したことで流入した低賃金労働者(移民)に因る。2015年時点で東欧からやってきた低賃金労働者は33万人を超えている。実質賃金は2008年〜2013年の5年間で8%下落した。

また、あれだけ暴言を吐いていたトランプが米大統領になれた背景には、NAFTA北米自由貿易協定)の存在がある。1994年にNAFTAがアメリカ・カナダ・メキシコの3国で結ばれて以来、メキシコの経済は米国から輸入される安価なトウモロコシによって壊滅。その結果、職を失ったメキシコ人は海を渡り、不法移民としてアメリカに流れ込んだ。

EUとアメリカについて因果関係を整理すれば、このような見方になるはずである。しかし、多くの政治家はこうした事実を「ダイバーシティ(多様性)」や「グローバルな世界」などと綺麗なワードでもって蓋をする。これが「ポリティカルコレクトネス」である。ようするに「ポリコレ疲れ」とは、綺麗事や理想論を振りかざす政治家に対してNO(=現実を見ろ)を突きつける国民が増えた結果、本音でものを言う政治家に支持が集まる現象のことだ。

トランプを筆頭に、(国民が普段言えない)本音をぶちまける政治家は「ポリコレ」を盾にする政治家から「ポピュリスト」と呼ばれる。これはもう「レッテル貼り」としか言いようがない。現にトランプはグローバリゼーション推進論者から「アンチグローバリスト」とレッテルを貼られている。これはつまり、推進論者が暗に『グローバル化を進めることは良いことだ』ということを示しているにすぎない。

「レッテル貼り」は思考停止の結果の行為であって、論理の欠片もない。むしろ感情論とみなしてもいい。ワンフレーズの言葉が好まれるという点で「レッテル貼り」と「ポリコレ」は共通しているようだ。

 

『世界はこれまで「右と左」に分かれていたが、これからは「ドリーマー(理想主義者)v.s.リアリスト(現実主義者)」という対立軸で世界を見なければならない。』ということを誰かが言っていたが、2016年になってそれが顕在化し始めてきた印象がある。社会の上澄みに位置する政治家やメディアが「ダイバーシティ」や「グローバリゼーション」などの建前を使い続ける一方、『現実を見てくれ!』と、ポピュリストと称される政治家やインターネットは国民の本音を代弁する。

「ポリコレ」がすべての分断に関わっている。とにかく「レッテル貼り」をやめることから始めよう。物事を単純に理解しようとする、その姿勢が矛盾を生むのだ。

 

 

 

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